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AI-Papers

DeepSeek、初の外部調達で評価額450億ドルへ 中国AI最大手が投資フェーズに本格突入

(更新: 2026年9月24日)
DeepSeek、初の外部調達で評価額450億ドルへ 中国AI最大手が投資フェーズに本格突入
  • DeepSeekの評価額が数週間で200億ドルから450億ドルへ急上昇し、創業以来初の外部VC調達を進めていると複数メディアが報じた
  • 中国国家ファンド「大基金」がラウンドをリードし、テンセントとアリババも参加を交渉中とされている
  • 外部資本導入の主因は研究者へのエクイティ付与であり、Huawei Ascendチップとの戦略的連携も競争力の柱となっている

評価額が数週間で倍増した経緯

Financial TimesとBloombergの報道によると、中国のAIスタートアップDeepSeekが創業以来初めてとなる外部ベンチャーキャピタル投資を模索しており、その評価額は数週間のうちに200億ドル(約2.9兆円)から450億ドル(約6.5兆円)へと上昇したとされています。報じられている評価額の変化は次のとおりです。

時点

評価額(ドル)

円換算

数週間前

200億ドル

約2.9兆円

今回のラウンド

450億ドル

約6.5兆円

この評価額の前提には、2026年初頭からの同社の実績があります。DeepSeekは2025年1月、米国の主要モデルに匹敵する推論・コーディング性能を、はるかに少ない計算コストで実現したLarge Language Model(LLM、大規模言語モデル)を発表しました。

推論モデルをHugging Face上でオープンウェイトとして無償公開したことも、同社の知名度を押し上げました。当時はNvidiaをはじめとするAI関連銘柄が一時的に急落しており、少ない計算資源で高い性能を出す手法が業界の投資前提に影響したとみられます。

研究者の引き留めが外部調達の引き金に

DeepSeekを設立したのは中国のヘッジファンド運用会社出身の梁文鋒(Liang Wenfeng)氏です。同氏は現在も同社の約90%を保有しており、これまで外部からの投資を受け入れない方針を一貫して維持してきました。

今回、創業者が方針を転換した主な動機は研究者への株式付与にあると報じられています。OpenAIやAnthropicといった競合他社が大規模な報酬パッケージで優秀な人材を獲得するなか、エクイティを持たないDeepSeekでは研究者の流出リスクが高まっていました。外部資本の導入は、研究者を競争力ある条件で確保するための手段という位置づけです。

また、DeepSeekのモデルはHuawei AscendシリーズのAIチップ向けにも最適化されています。米国による半導体輸出規制を受けた中国国内のインフラ整備という文脈では、同社とHuaweiの連携は国家戦略とも重なります。

国家ファンドと大手テックが参集

今回のラウンドをリードするのは、中国政府が支援する「中国集積回路産業投資ファンド(通称: 大基金、Big Fund)」です。大基金は半導体産業の国産化推進を目的として設立されてきたファンドで、そのAIスタートアップ投資への参入は、政府がAI開発を資金面で支える動きにあたります。

さらに、テンセントとアリババの両社がラウンドへの参加を交渉中と報じられています。中国の2大テクノロジー企業がDeepSeekの株主となれば、クラウドインフラや商業展開での連携が視野に入ります。

米中AI覇権争いへの影響

DeepSeekが外部資本を獲得すれば、研究人材の拡充とインフラ投資を同時に進められます。これまでの「少ない計算コストで高性能」という路線は維持しつつ、組織規模の拡大によって米国AI企業との差を縮める狙いがあるとみられます。

技術面では、DeepSeek-R1を含むLLMのアライメント技術(RLHF・DPO・GRPO)の独自実装が同社の競争力を支えてきました。資金力が増せば、この研究基盤への投資余地も広がります。

国家資本・民間大手・創業者の三者が関わる今回の調達は、外部資本を拒んできた企業が資金調達に踏み出したという点で、中国AI産業の資金の流れを示す事例です。米中双方の投資家と企業戦略担当者にとっては、その動向が今後の判断材料になります。

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