- AnthropicがステルスバイオテックAIスタートアップCoefficient Bioを約4億ドルの全株式取引で買収したとThe InformationとEric Newcomerが報道
- 創業者2人はGenentech Prescient Design出身の計算創薬専門家で、チーム約10人がAnthropicのライフサイエンスチームに合流予定
- 2025年10月発表の「Claude for Life Sciences」に続く買収で、Anthropicが生命科学領域への投資を加速
4億ドルの全株式取引で成立
AnthropicがステルスバイオテックAIスタートアップCoefficient Bioを約4億ドルの株式取引で買収したと、The InformationおよびEric Newcomerが2026年4月3日に報じました。TechCrunchが取引関係者に確認したところ、買収の成立は認められましたが、金額については言及を避けました。
Coefficient Bioは創業からわずか8ヶ月という短期間での大型買収となりました。買収は全額株式交換の形式で行われており、現金の支出を伴わない点が特徴です。
Coefficient Bioとは
Coefficient Bioは、Samuel StantonとNathan C. Freyが2025年9月に共同創業したAIスタートアップです。2人はともに、バイオテック大手Genentechの創薬研究部門「Prescient Design」で計算創薬(computational drug discovery)に従事していた専門家です。
同社は、AIを活用して創薬プロセスや生物学研究の効率化を目指していました。チームは創業者を含む約10人で構成されており、全員がAnthropicのヘルス・ライフサイエンスチームに合流する予定です。

ライフサイエンス戦略との連携
今回の買収は、Anthropicがすでに打ち出していた生命科学戦略の延長線上にあります。同社は2025年10月に「Claude for Life Sciences」を発表しており、科学者が新たな発見を加速するための専用ツールとして提供を開始していました。
Coefficient Bioのチームと技術を吸収することで、Anthropicは研究者向けAIツールの開発を一段と強化する構えです。創薬のような高度に専門的な領域では、汎用LLM(大規模言語モデル)だけでなく、ドメイン特化の知識と計算手法が求められます。Genentech出身の専門家を擁するCoefficient Bioは、こうした専門性を即戦力として提供できる点で評価されたと考えられます。
AI企業の産業特化戦略が加速
Claude有料ユーザー数が今年度2倍以上に急増するなど、Anthropicはコンシューマー市場でも存在感を高めています。しかし今回の買収は、汎用AIの競争とは別の軸で、生命科学という特定産業に深く踏み込む方向性を示しています。
OpenAIが開発ツール企業のAstralを買収したのとは対照的に、Anthropicは医療・創薬という応用領域への直接参入を選びました。LLMの開発競争が激化するなかで、特定産業の専門知識を内製化することで差別化を図る動きは、AI大手全体に広がる可能性があります。
