- Googleがパーソナルエージェント「Gemini Spark」を日本を含む160カ国以上へ拡大し、日本語と英語に対応しました
- 搭載モデルはGemini 3.5で、GmailやZillow Rentals、OpenTableなど外部サービスと連携し複数アプリをまたぐ作業をこなします
- 米国先行のChrome統合では保存済みパスワードを使い、賃貸内見やフライトの予約手続きをAIが自律的に代行します
Gemini Sparkの日本提供
Googleは7月29日、パーソナルAIエージェント「Gemini Spark」を日本を含む160カ国以上へ拡大したと発表しました。日本では8月2日時点で利用できるようになり、日本語と英語に対応しています。
利用できるのは有料プラン「Google AI Ultra」と「Google AI Pro」の加入者です。AI Proの利用者には今後数週間以内に順次提供される見込みで、対象は段階的に広がっていきます。
先回りして動くAIの仕組み
Gemini Sparkの特徴は、利用者が指示を出す前から動き始める点にあります。パソコンを閉じた状態やスマートフォンがロック中でもバックグラウンドで動作し、メールの受信やチャットの更新をきっかけにタスクを先回りして処理します。
搭載モデルは「Gemini 3.5」で、GmailやGoogleドキュメント、スプレッドシートと連携しています。さらにCanvaやDropbox、Instacart、OpenTable、賃貸物件情報のZillow Rentalsなど外部サービスとも接続し、複数のアプリをまたいだ作業を一つの流れとしてこなします。
例えば旅行の予定がメールで届くと、日程を自動でスプレッドシートに書き込み、現地のイベントを検索するといった処理を人手を介さず進めます。月々の請求書を点検し、値上げやトライアル終了の通知を出す家計管理の使い方も想定されています。
Chrome統合で予約を代行
同時に発表されたChrome統合機能は、エージェント型AIの実用性を一段引き上げるものです。Chromeにログイン済みのアカウントと保存済みのパスワードを使い、これまで人が画面を操作して行っていたWeb上の手続きをAIが代わりに進めます。
具体例として、賃貸物件の内見予約や、フライトの検索から予約手続きの開始までが挙げられています。利用者がゼロから入力フォームを埋める必要がなく、AIが認証情報を引き継いで作業を進める点が、従来のチャット型アシスタントと大きく異なります。

画面を自動で操作するエージェントの研究は実機で鍛えるGUIエージェントなど各所で進んでおり、Gemini Sparkはその流れを一般の利用者向けに広げる動きといえます。
ただしこの機能はまず米国から提供が始まります。日本を含むその他の地域へは今後順次拡大される予定で、現時点で日本のChromeですぐに同じ操作が使えるわけではありません。
安全設計とプロンプト対策
アカウント情報やパスワードを扱うだけに、Googleは安全面の設計も同時に説明しています。まず、悪意のある指示をWebページなどに埋め込んで誤作動を誘う「プロンプトインジェクション」攻撃からエージェントを保護する仕組みを備えます。プロンプトインジェクションとは、AIに読み込ませる文章の中に不正な命令をまぎれ込ませ、本来の指示を乗っ取る手口を指します。
加えて、決済の確定などとくに慎重さが求められる操作については、AIが自動で完結させず利用者に判断を引き渡す設計になっています。利用者がAIの動きを常に把握できるようにし、勝手に取り返しのつかない操作へ進まないよう歯止めをかけているのが特徴です。
提供プランと今後の展開
Gemini Sparkを使うには有料プランへの加入が必要です。Googleの公式プラン紹介によると、日本での月額料金はGoogle AI Proが2,900円、上位のGoogle AI Ultraが36,400円と案内されています。Sparkは当初Ultra加入者向けに提供され、Pro加入者へは今後数週間以内に順次広がる見込みです。
Chrome統合や対応サービスの拡充を含め、機能は段階的に取り入れられていきます。日本ではまずSpark本体が使えるようになり、米国先行のChrome統合が他地域へ広がる時期については、今後のアナウンスを待つことになります。エージェント型AIが実世界の手続きをどこまで安全に代行できるかは、こうした地域展開とあわせて見極めることも可能です。