- Claudeの共有チャットとArtifactsが「site:claude.ai/share」検索でGoogleに索引され、医療記録や子どもの氏名、社内文書が閲覧可能な状態になっていた
- Anthropicは検索エンジンにサイトマップを提供しておらず、利用者がSNSやフォーラムに公開リンクを貼ったことが原因だと説明した
- 対策は設定からプライバシー、共有チャットへ進み、公開リンクを作成したチャットを確認して不要なものを削除すること
何が起きたのか
AnthropicのAIアシスタント「Claude」で作成した共有チャットや成果物(Artifacts)の一部が、Google検索から誰でも閲覧できる状態になっていたことが分かりました。2026年7月25日(土)にReddit利用者が最初に問題を指摘し、週明けの27日(月)にかけてTechCrunchや404 Mediaが報じました。
発見のきっかけは、検索窓にsite:claude.ai/shareと入力する単純な操作でした。この検索演算子を使うと、Claudeの共有ページだけに絞って結果を一覧できます。本来は特定の相手にリンクを渡して見せるための機能ですが、そのページが検索エンジンにも拾われていた形です。
露出した情報の中身
報道によれば、索引された内容には機微な個人情報が数多く含まれていました。具体的には、患者名を伴う詳細な医療報告書や臨床試験の結果、小学生の氏名と電話番号が記載された文書などが確認されています。
企業向けの情報も漏れていました。「社内専用」と明記された文書や従業員の人事評価、Artifacts内に書かれたコードや作業メモが含まれます。中にはAnthropicの利用規約に反する成人向けの生成物まで見つかっており、露出範囲の広さがうかがえます。

共有機能の落とし穴
問題の核心は、共有リンクを「リンクを知る相手だけが見られる限定公開」だと利用者が思い込みやすい点にあります。しかし実際には、そのURLをSNSやフォーラムに貼った瞬間、Googleのクローラーがリンクをたどって検索結果に載せてしまうのです。「共有」という言葉は、社内チャットのように閉じた相手への送信を連想させます。この文言から、URLを渡した相手だけに見せる限定的な共有を多くの利用者は想定していたでしょう。
両社の主張と責任の所在
Anthropicの広報担当Amie Rotherham氏は、検索エンジンにチャット一覧やサイトマップを提供してはいないと説明し、リンクが表示されたのは利用者自身が検索可能な場所に共有したためだと述べました。同社は共有の公開範囲を制御する仕組みを用意していると強調しています。
一方、Googleの担当者Ned Adriance氏は、検索エンジン側は公開ページの表示を直接コントロールできないとしつつ、サイト運営者はrobots.txtやサイトマップで索引を防げると指摘しました。技術的な予防策を講じる余地があったことを示唆する発言といえます。
過去にも繰り返された問題
生成AIの共有機能をめぐる情報露出は、今回が初めてではありません。ChatGPTでは2024年に約10万件の会話がGoogleに索引され、404 Mediaがスクレイピングを確認しました。Claudeでも2025年9月に約600件が同様の状態になり、Forbesが報じています。
Claude自体はOpus 5の公開など性能面で存在感を増していますが、利便性を優先した共有機能が繰り返し弱点になっている点は見過ごせません。使い勝手と情報保護のバランスが、あらためて問われています。
今すぐ確認すべき設定
自分の共有リンクが公開されていないか不安な場合は、Claudeの設定画面から確認できます。手順は設定(Settings)からプライバシー(Privacy)、共有チャット(Shared Chats)へと進み、公開リンクを作成したチャットの一覧をチェックするだけです。
不要な共有リンクは、その場で削除しておくと安全でしょう。医療や業務など機微な情報を扱った会話については、共有機能そのものを使わない運用も検討する価値があります。月曜午後の時点でTechCrunchの検索では結果が表示されなくなっており、露出は修復された可能性が高いものの、一度検索エンジンに載った情報がキャッシュに残るリスクは残ります。
