※ AIによる要約
AI開発を進めるOpenAIが、「政治的に偏りのないAI」に関する記述を削除したことが議論を呼んでいます。2025年1月13日に同社が公開した政策文書には、当初の草案で記載されていた「AIモデルはデフォルトで政治的に偏りのないものを目指すべき」という文言が含まれていなかったことが明らかになりました。
この変更を最初に発見したのは、AI関連プロジェクトで活躍しているエンジニアのTibor Blaho氏です。
Blaho氏の指摘によれば、1月9日に公開された草案にはその記述が確かに存在していましたが、数日後に公開された最終版では削除されていたとのこと。この件についてテクノロジーメディア「TechCrunch」がOpenAIにコメントを求めたところ、広報担当者は「文書を合理化するための変更の一環である」と説明。同社は他のドキュメントで客観性への対応を強調しており、AIモデルが適切な客観性を維持していると主張しています。
しかし、この対応をめぐり、AIの政治的な中立性についての議論が再燃。以前から、OpenAIの提供するChatGPTなどのAIチャットボットに対して、保守的な見解を検閲しているとの批判が寄せられていました。特に起業家のデビッド・サックス氏や実業家イーロン・マスク氏らは、AIのトレーニング方法や設計思想がリベラルな傾向を持つ社会規範に影響されていると指摘。
OpenAIに限らず、AIの偏向を取り除くことは技術的な課題として広く認識されていますが、同時にそれが「機能ではなくバグ」であるとするOpenAIの主張に対し、懐疑的な声も上がっています。
AIの公平性・中立性をどのように保障すべきかという問題は、技術的な挑戦であると同時に社会的・政治的な課題でもあります。今回の政策文書の変更がAIへの期待や議論にどのような影響を及ぼすのか、今後の展開が注目されます。