多様性重視のモデル進化:CycleQDが示すAI開発の新境地

ニュース
  • Sakana AIが「CycleQD」で特化型AI開発を実現
  • 「CycleQD」は進化的計算で多様なモデル生成を可能とする
  • 特化型モデル群でAI開発の効率化と持続性を向上

※ AIによる要約

Sakana AIは、AI技術の新たな地平を開く「CycleQD」を開発。

この技術は、生物学の「生態的地位(ニッチ)」の概念をAIに応用し、各エージェントを特定のタスクに特化させることで、複雑なタスクの効率的な解決を実現。

CycleQDは「Quality Diversity(QD)」という進化的計算手法を基盤としています。モデルマージを交叉、特異値分解(SVD)を突然変異とする手法により、多様なスキルを持つ小規模なモデル群を生成。この結果、各モデルが特化しながらも、言語能力全般を維持することが可能です。

従来のLLMファインチューニングでは、データバランスの調整や複数スキルの最適化が課題でした。しかし、CycleQDでは最適化の焦点を周期的に切り替える仕組みを採用することで、各スキルが順に強化され、バランスの良いモデル開発を実現しました。

実験では、Llama3-8B-Instructモデルを使い、コーディング、データベース操作、OS操作の3タスクで性能を検証。その結果、CycleQDは従来の手法を上回り、特にコンピュータサイエンス分野で高い性能を発揮するエージェント群の構築に成功

大規模モデルの計算コストが課題となる現代のAI開発において、CycleQDは持続可能な開発手法として注目されています。さらに、この技術は画像認識など言語以外の分野にも応用可能で、AIの進化を大きく加速させる可能性を秘めているとのこと。

本研究は「Generative AI Accelerator Challenge(GENIAC)」の一環として実施され、Sakana AIはCycleQDを通じ、日本のAI研究競争力の向上に貢献しています。

Sakana AI
Population-based Model Merging via Quality Diversity
タイトルとURLをコピーしました