AIが拓く医療革命!ヘビ毒治療に新たな一手

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  • AIで設計された抗毒素タンパク質、ヘビ毒治療に新展開
  • 低コスト・常温保存可能な治療法の実現性
  • 医学的応用拡大への期待と課題

※ AIによる要約

ワシントン大学のデヴィッド・ベイカー教授率いる研究チームは、AIを活用してヘビ毒に含まれる毒素を中和する新しいタンパク質の設計に成功したと発表。この研究は2024年のノーベル化学賞を受賞したベイカー教授によるもので、AIによるタンパク質設計技術が毒ヘビの治療法を進化させる可能性を示唆。

ヘビ毒には、人体に深刻なダメージを与える多種類の毒素が含まれており、従来はこれらの毒素に対して血清を使った治療が主流でしたが、血清治療には冷蔵保存が必要で、保存期間が短いという課題がありました。また、多くのヘビ咬傷事故が山間部やへき地で発生するため、この方法では迅速かつ安定的な供給が困難であったとのこと。

今回、研究チームはAI技術「RFdiffusion」を活用して、特にコブラ科の毒ヘビが持つスリーフィンガー毒素(3FTx)に対する抗毒素を設計。この毒素は呼吸麻痺や組織壊死を引き起こす特性を持ち、従来の血清治療では十分な効果を得にくいとされています。

RFdiffusionを用いて3FTxの構造を詳細に解析し、その結果に基づき、タンパク質の立体構造をAIツール「ProteinMPNN」、「AlphaFold 2」、「Rosetta」を用いて正確に設計。最終的に、毒素に強く結合する新しいタンパク質を開発しました。

この研究はあくまで概念実証の段階ですが、細菌を使って大量生産が可能であるため、低コストかつ常温での保存が可能な治療法を実現する可能性があるとのこと。これにより、治療の手の届きにくかった地域での効果的なヘビ毒対策に貢献できると期待されています。

この成果はNatureにも発表されており、AI技術が医学分野において革新的な解決策を提供する力を証明するものとなっています。

De novo designed proteins neutralize lethal snake venom toxins - Nature
Deep learning methods have been used to design proteins that can neutralize the effects of three-finger toxins found in ...
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